SSブログ

スウェーデンのベーシックインカム論-ワークフェアから無条件給付へ [Basic income]

スウェーデンの福祉後退、「ベーシックインカム」支給して防ぐべき

「京郷新聞」2012-10-14 21:23:44
文:キム・ジファン 写真:キム・ムンソク記者 


「スウェーデンの社会福祉が最近10年間、新自由主義の影響で次第に悪化している。特に『仕事をしない人に福祉給付を与えることはできない』という認識が強固になっている。スウェーデンの福祉後退を防ぐためにはベーシックインカムの導入が必要だ。」
Annika Lillemets.jpgAnnika Lillemetsスウェーデン緑の党国会議員(写真)は、去る12日、ソウル市貞洞(チョンドン)の民主労総大会議室で開かれた「スウェーデン福祉モデルの限界とベーシックインカム」をテーマにした講演で、ベーシックインカム導入の必要性を強調した。
韓国社会で福祉国家のロールモデルと見なされているスウェーデンで、なぜベーシックインカムが必要なのか。「スウェーデンモデル」が1990年の経済危機以降、新自由主義の影響により後退しているのを防ぐためである。後退している福祉制度が、長期間失業状態にある人や仕事を見つけられずにいる若者等に、十分なセーフティーネットにならなくなっている状況がある。昨年、経済協力開発機構(OECD)が発表した幸福指数を見ると、スウェーデンは3位で、保育、教育、失業等の問題を福祉が支えている伝統は相変わらずである。しかし、ユートピアという韓国人の一般的な認識とは全く異なった状況にあるのだ。
Annika Lillemets議員は、「現在の失業率は8%、若者の失業率は20%だ。また、臨時職と毎朝仕事のために電話を待つプレカリアート(不安定な労働者階級)が増えている」と、スウェーデンの状況を伝えた。彼女は「福祉制度が定着していなかった100年前に戻ったような印象を受けることさえある」と言う。
新自由主義の影響で、「仕事をしない者に福祉給付を与えることはできない」という認識が、スウェーデン社会でいっそう強固になっている。Annika Lillemets議員は「左派・右派ともに労働をしなければ人間らしくないという信念を持っている。このために、ますます多くの人々が労働に連係する福祉給付に依存している」という。彼女は、しかし「仕事をしない者も福祉給付を受ける権利がある」として、労働と福祉を連係しなければならないという「固定観念」と対抗することが最も重要だという。
ヨーロッパ議会は2010年、ベーシックインカムの導入をすべての加盟国に提案した。ベーシックインカムがスティグマを押さない方式で貧困問題を解決し、社会的排除を解決するのに効果的だと見たためである。スウェーデン緑の党は最近、初めて政府にベーシックインカム導入のためにモデル事業を行うよう提案した。Annika Lillemets議員は、ベーシックインカムを支給するための財源としては環境税を考慮している。彼女は「労働所得に税金をさらに賦課することになれば、仕事をする人々の反発が大きくなることもある。企業が二酸化炭素排出による税金を払うようにする必要がある」と言う。

※日本でも、生活保護を就労と結びつけたワークフェアに基づく社会福祉が強化されようとしている。あまつさえ、親族の扶養能力を調査すべきといったような、社会福祉の概念を「家族福祉」にすり替えようとする動きさえある。個人の基本的人権と生存権の保障という憲法の理念にも背く反動的な動きだ。
私たちは、「財政難」を理由に社会福祉を切り詰めようとする政府のこうした動きを許さず、ひとり一人の個人を単位としたベーシックインカムの導入を、今こそ声を大にして主張し、具体的政策として提案していく必要がある。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。