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菅談話に対する日韓の微妙で絶望的な落差 [Korea]

20日の“日韓併合”100年を前に菅首相が発表した談話は、日韓両国で様々な議論を呼んでいる。日本では進歩的な人々をはじめ多くの国民から歓迎されている反面、嫌韓右翼をはじめとした右派勢力からは当然のごとく批判を浴びている。一方の韓国では、左派(右派ではない)・民族主義勢力は批判、マスコミの論調もどちらかというと否定的なものが多い
韓国での批判の論点は、管談話が1965年の日韓条約で賠償問題等が解決済みとする従来の政府見解を踏襲し、「韓国の人々は、その意に反して行われた植民地支配によって、国と文化を奪われ、民族の誇りを深く傷付けられた」との認識を表明しつつも、1904年の第1次日韓協約には全く触れられていないことから、1905年に日本が島根県への編入を閣議決定した竹島= “独島” 問題にまで言及しているものもある。
韓国人の国民性のひとつは、“自尊心(チャジョンシム)”を重視する点である。彼らのいう自尊心とは、日本人のいう自尊心=プライドとは少しニュアンスが違い、どちらかというと“体面”に近い概念だ。日本の36年に及ぶ植民地支配は、そうした韓民族の自尊心をずたずたに引き裂いてしまい、大きな民族的トラウマとなっていまだに引きずられている。だから、“歴史問題”に触れられると、彼らは過剰反応を示し、自己正当化の論理を全面展開して自尊心の回復を図ろうとする。
また、韓国人は議論好きの教条主義者でもある。それは、実学とは反対の観念論である儒教思想=朱子学に根ざすものであり、韓国の日刊新聞を読んでいると、日本共産党の機関紙=赤旗でも読んでいるかと錯覚することがよくあるほどだ。だから、彼らは管談話ひとつとっても、白か黒かをつけたがり、黒と決めたら全面展開してその非をあげつらわずには気がすまない。
日本が経済的に絶対的優位性を保っていた20世紀後半までならいざ知らず、落日の今の日本に対して、韓国人はもうとっくにそんなトラウマから立ち直って、もっと自信をもって日本に対せばいいのにと、私はかねがね思っているのだが、マスコミの論調は十年一日どころか百年一日の感がある。これでは日韓関係はもとより、韓国人自身にとって何の利益にもならないと思うのだが……。
もちろん未解決の歴史問題を解明していく作業は大切だし、日韓両国の歴史学者が共同して議論して両国の溝を埋めていく作業も必要だと思う。しかし、菅談話が意図した“未来指向”の日韓関係構築に対して、韓国政府はともかく、マスコミの論調は全く逆向きであるといわざるをえない。
もちろん、韓国人が日常生活レベルで常に議論好きで政治談義にばかり口角泡を飛ばしているわけではない。民間レベルの文化交流は、金大中政権以来の十年余りの間だけでも飛躍的に発展してきた。日韓関係の未来は、むしろそちらの方向にこそあると信じたい。

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