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今後も楽しみなDr.倫太郎-日本の精神医療の病巣を見事に活写 [Anti-psychotropic drugs]

Dr.倫太郎第2回も見せてくれた。
以下は精神医療に関連する今回の主な会話部分だ。
日野倫太郎と宮川精神科主任教授の会話
宮川 スペクト検査の画像から判断すると妄想型統合失調症だと思われます。まずはリスペリドン*を投与し症状の改善を待つのが定石でしょう。
日野 そう判断するのは早すぎるんじゃないでしょうか? 宮川先生は患者さんとお話はされましたか?
宮川 患者の話に惑わされるから誤診が生まれるんだ。あれはカプグラ症候群**だ。やはり、妄想型統合失調症で間違いないでしょう。妄想型統合失調症は精神療法だけでは押さえ込めません。つまり日野君はこの患者には役立たずということです。
日野 風間さんにカプグラ症候群の妄想がなかったとしたら、妄想を抑える薬を投与してもよくはなりません。病名を決める前に、もっと患者さんの話を聞いたほうがいいんじゃないでしょうか?
宮川 時間のロスだ。
日野 ロスって、患者さんと向き合うのはいちばん大切な時間じゃありませんか?
宮川 日野君の治療法だと、いったい何十時間話し合えばいいんでしょうかね?
*非定型抗精神病薬の一種
**家族・恋人・親友などが瓜二つの替え玉に入れ替わっているという妄想を抱いてしまう精神疾患の一種。(Wikipediaより)
倫太郎の独白(叫び) お前みたいな精神科医がいるから患者は迷惑するんだ。薬だけに頼るんじゃねえ。
大物作家・風間との会話
日野 風間さんは妄想の天才です。そしてそれはあなたの個性です。
風間 だからなんだ?
日野 短期精神病性障害*。これが僕の診断です。
風間 治療が必要なのか?
日野 いいえ。風間さんの場合は急性で一時的なものでした。社会生活上お困りでないなら、治療は必要ないと思います。
*短期精神病性障害は、少なくとも1日は続くが1カ月未満で、最終的に正常な病前の機能状態に戻る妄想、幻覚、またはその他の精神病症状からなる。この障害は、重度のストレスにより疾患感受性の人々に生じるのが典型である。(日本MSD社HPより)
蓮見外科主任教授 日野君は客寄せパンダとしては優秀ですが、患者の症状をすべて個性にしてしまったら、精神科に患者は1人もいなくなってしまいます。

これらの会話だけでも、現在の日本の精神医療の現状・問題点を見事に描ききっているといっても過言ではないだろう。倫太郎もまた精神科医のひとりとして患者に診断名を下す習性があるようだが、精神疾患=個性ととらえる倫太郎の対処法=治療は、少なくとも日本の精神科医に少なくはない「良心的精神科医」の範疇をはるかに超えている。
次回以降も楽しみだ。320万人の「精神疾患患者」が、このドラマを通して、自分が受けている「精神医療」がいかに意味のないどころか有害なものであるかに気づき、薬との関係を断ち、自己解放を成し遂げる契機になってもらいたいと思う。そして、日頃精神医療とは無縁な多くの視聴者が、精神科って患者の話もろくに聞かず、やたら薬ばかり出したがる恐いところなんだと正しく認識してくれれば幸いである。
ちなみに、倫太郎と夢乃の恋の展開も先が読めてきたが、恐らくそれも精神医療と無関係ではなさそうだ。倫太郎が夢乃の「症状」に気づき、それと向き合って「治療」することで、夢乃を苦しめている問題から解き放っていくように思われる。

※番組最後に以下のようなテロップが流れるが、これはテレビ局の責任回避策というより、悪辣な製薬会社や精神医学界からのクレームを事前に封じる対策と見るべきだろう。

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