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73分に及ぶ演奏が飽きさせないーDEZOLVE「AREA」 [Jazz]

IMG_3109.jpgDEZOLVEAREA を聴いて思い出したのが、私がApple Musicを聴くようになって真っ先にダウンロードしたスウェーデンのドラマーJonathan Lundbergのリーダーアルバム「 Iterations」だった。当時それを聴いて、始めて出会うような新しい音の世界に新鮮な衝撃を受けた記憶がある。アルバム全体を貫くトーンも似ているが、なによりポリリズムやスリップビートを多用する山本真央樹のバークリー仕込みのドラミングがJonathan Lundbergを連想させたのかもしれない。調べてみると、ゲストに本田雅人を迎えている点も共通している。
Apple Musicのジャンリングの問題かもしれないが、アップされる日本のジャズアルバムの中にはジャズとはおよそ無縁の単なるインストゥルメンタルバンドじゃないの?と思うようなものが少なくない。そうではない純粋なJ ジャズでも、前にも述べたことがあるように、だいたい10秒聴けばJと分かる作品が大半だ。それはJジャズのよさとしての特徴ならば必ずしも悪いとは限らないが、私にはどうもそれがJジャズの〝ガラパゴス化〟としか思えないのだ。つまり、タコツボ化し、狭い日本にしか通用しないような音に自己満足しているような……。(それは何もJジャズだけの問題ではなく、Jポップにも共通している問題だが。)
そんな中、本作はJものとは露ほども感じさせないワールドワイドかつ斬新で洗練されたフュージョンミュージックの世界を展開している。前述した山本をはじめ4人のメンバーは皆23~26歳と若いが才能に溢れ、エレクトリックとアコースティックを巧妙に融合させたサウンドはハイレベルな調和を醸し出している。73分に及ぶ演奏がちっとも飽きさせず、かつ心地よい。
日本のフュージョンといえば高中正義やカシオペアの伝統を引きずったまま進化しないか、前述したようにジャジーな面をそぎ落とした単なるインストロメンタルミュージックに変質してしまったような演奏が大半である中、世界の最前線で通用するようなすごいスケールを持ったバンドが出現したものだと興奮させられた。

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