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ダグラスの社会信用論(連載6) [Basic income]

要約すると、ベーシックインカム論の強力な根拠を提供する多くの論理がある。
1.安定したお金、すなわち負債としてつくられなかった貨幣がなければならない実際的必要性
2.購買力と物価が均衡をなさなければならない必要性
3.成長と発展が真の必要や需要に応じるために、経済が現水準で適切に機能しなければならない必要性
4.失業者のための建設的な土台提供の必要性
5.全面的に賃金にのみ依存し、したがって雇用主の搾取になすすべのない就業者のために、ある程度の財政的独立を提供する必要性
6.誰でもある程度の権利を主張することのできる、以前の世代によって伝承されてきた社会の文化的遺産に対する認定
7.絶対多数の人々が現在食糧を自給する土地や、その他生存を維持する手段を有していないということ、したがって今日の経済が十分に提供することのできる基礎生活必需品に対してある程度直接アプローチする必要があるという事実の認定
ダグラスは彼の「国民配当」をここで私がしたようには説明しなかった。彼の最初の著書は「正当価格」を相当細かく説明する。しかし、この段階でダグラスは、彼が発見したのはひとつの「欠陥」であるとだけ信じた。すなわち、ひとまず問題が徹底的に議論されれば是正することのできる、金融制度上の失敗または意図されなかった欠陥であると信じた。しかし第二の本を書く頃に、ダグラスのアプローチの方式は全面的に変わった。ダグラスや彼の支持者には、今彼らが対抗しているものが金融システムの意図されなかった欠陥なのか分からないが、しかしそれは経済に対する粗雑な中央集中的な統制政策を有利に支えている欠陥であるということが明白になった。政府と金融界の人々は不均衡な金融システムの操作を通して、自身が経済成長の方向と速度にとてつもない統制権を行使することのできる状況を変更しようと思う意思が全くなかった。
1923年以降、ダグラスの著述は政治的な性格が濃くなった。彼の分析や提案はどれも、より深層的な考慮と関連している。すなわち、金融システムに関連する権力構造、永久的労働指向経済と財貨及びサービス供給指向経済の間の隠密な哲学的差異、賃金奴隷経済が提起する道徳的問題、そして近代的政府の本質等々。 ダグラスは経済システムの目的が終わりのない雇用を提供し、次第に必要もない生産品を果てしなく供給するのならば、現行のシステムを凌駕するものがないということに喜んで同意した。しかし、経済学の目的が、商品が必要な時と場所における商品の生産と分配を許容するものならば、新たな金融システムが必ず必要なのであった。
私たちは、金融システムが市場に出ている商品を買い入れるに十分な購買力を分配していないということは、明確に愚かなことであるという話をよく聞く。しかし、「私たち」がそのようなことを言ったことはない! 私たちが言うのは、現在の貨幣システムの下で、消費商品の分配のための十分な購買力を確保するためには、資本財と輸出用商品を過度につくらなければならないということである。…今あなたに旋盤が必要でもなく、有り余るパンがあるにもかかわらず、旋盤製造会社の従業員は旋盤をつくらなければパンを得ることはできない。そうして彼らは、すでに有り余っているパンを得るために旋盤をつくり、砲弾をつくり、戦争を起こすものである。―ダグラス、『課税による独裁』、1936
ダグラスは雇用に対する盲目的な追求を問題視した。彼の時代は人々が仕事をするために存在し、普通の人は運命的に不愉快な環境で、ほんのわずかな報酬のために、長時間労働するようになっているという考えが疑いなしに受け入れられた時代であった。ダグラスのベーシックインカム論は、こうした労働倫理を暴露するものであり、また、この労働倫理を疑ったり中傷するのは経済的反逆行為のようなものであると恐れる心理に触れるものであった。ダグラスは強制的な労働を縮小することが労働の必要性それ自体を否定するものでないという点を指摘した。彼はまた、自身の改革案に反対する人々が、一般的に自身の財産のおかげで、強制的な労働をする必要がない人々であるという事実を指摘した。そうした人々が「国民配当」に反対する理由は、それが人々に「いかなる仕事もしなかったのに何かを与える」という点のせいであった。しかし、ダグラスはベーシックインカムが必要なのは、分配を要求する何かがあるためであると答えた。すなわち、現行の金融システムでは分配が不可能な財貨とサービスがあるためであるというのである。そのうえ、「何もしなかったのに何かを分けること」は、信用の創造以外に「いかなる仕事も」することなしに莫大な利益を手にする銀行家のトリックに比べてはるかに正当なものであった。
ダグラスはいかなる貨幣改革案でもその背後には哲学がなければならないと強調した。彼は現在の貨幣システムの背後にも何らかの哲学が存在すると主張した。現行の貨幣システムは哲学的な原理ではなく、数世紀の間制御されなかった力、すなわち銀行信用が成長を強要するメカニズムによって存在してきたが、それでもそこにはひそかにはたらいている哲学がある。この成長をめぐり、一連の仮定と偏見が発展してきて、人々は論理と証拠にもかかわらず、それらを振り払えずにいるのである。
それは無意識的なものであるかもしれないが、ベーシックインカムに反対し、金融システムの変化を拒否する態度の背後には、ほとんど哲学の水準に近い偏見と仮定の集合体がある。ダグラスはそれをこう表現する。「現行システムの目的は、個人が常に経済的依存性に閉じ込められていなければならないというアイデアに意識的または無意識的基盤を置いている。」
金融システムの効果的政策は、依存と統制の哲学を維持することである。失業者のために余分な仕事を、故意的な赤字を通じてつくり出すこと―そうして彼らがすでに充分に存在する物品とサービスを獲得させること―は、政府によるほとんど奴隷労働に近い搾取形態である。
今まで目標となってきたことは、人々が自身の席をに身動きもせず守り座っていなければならないピラミッド的な奴隷システムである。…その政策は個人的にまた集団的に、私たちに負債を負わせることによって、私たちを永久に借金取りの奴隷にしようとするものである。お金を求めて借金を清算することは不可能なことである。なぜなら、私たちの借金取りは借金を返すのに必要なお金をつくり出す唯一の権力者でもあるからである。―ダグラス、『課税による独裁』
私たちの外観上の豊かさに関連するある論評で、ダグラスは次のように述べた。
豊かさの中の貧困の根絶は重要なことではあるが、問題の核心ではない。人々が腹を満たした奴隷として生きることも考えることのできることである。…この島国の人々が今のように完全に奴隷化してしまったのは数千年来初めてであることを、私たちは悟らなければならない。奴隷の境遇を特徴づける主な要素は悪い待遇ではない。自身の生活を決定する政策にいかなる発言もすることができないのが奴隷の主な特徴である。―ダグラス、『「選民のための土地」騒動』、1943
金融システムを改革しないことによって、政府は依存的大衆に対する統制権を継続して維持し、強大な政治権力を引き続き維持してきた。遠慮なく率直な態度でダグラスは自身の分析と提案を提出した。ダグラスの著述と公開演説は近代的政府の運営方式だけでなく、その動機に対する驚くほどの攻撃であった。多くの人々は彼が何の話をしているのか理解できず、彼が滑稽なほど極端であると感じた。しかし、ある人々はダグラスの分析と鋭利な観察が現代政治の核心を衝いていると確信した。
(続く)
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