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細川護煕氏を支持します。宇都宮健児氏は立候補辞退を! [Politics]

選挙はしょせん勝たなければ意味がない。負けを承知で支持できるのは、自分の考えとほぼ百パーセント政策の一致する候補や政党だけである。だから私は、野党第一党の社会党が本気で政権を取る気など毛頭なく自民独裁の補完物に満足していた55年体制下では、ほとんど選挙という茶番劇に付き合うことがなかった。しかし、1996年に第一次民主党が結成され、政権交代可能な政党を目ざすと宣言して以来、自民党政治を終わらせるために、3.11まで、国政選挙では一貫して民主党に投票してきた。
一昨年末の都知事選では、石原が知事を辞めた時点で、私は勝てるまともな候補として真っ先に湯浅誠氏をあげたが、本人にその意思がなく、彼とは反貧困ネットワークの運動をともにしてきた宇都宮健児氏が立候補して脱原発を掲げたので、東京都民ではないがキックオフ集会まで出かけていった。しかし、その集会のさなか、野田が衆院の自滅解散に打って出たため、私のみならず国民の関心は総選挙に向き、私はかねてからこの衆院選が脱原発を政治の力によって実現する最大最後の機会と考えてきたので、不満足な状況ながら、日本未来の党と山本太郎を支持し、できうるかぎりのことをした。宇都宮氏に関しては、弁護士としてクレサラ関係や反貧困運動に取り組んできた点や人柄は大いに評価するが、キックオフ集会で応援に駆けつけた山本太郎とのトークからも、反被曝や都内のホットスポット対策など、脱原発とは言いながら山本や私などと比べると温度差を感じるし、「あんまり勉強してないな」という感想を抱いたものだ。
今回の猪瀬辞任で降って湧いた都知事選では、「どんな候補が適任か?」と考える間もなく、宇都宮氏がどうやら共産党の強力なバックアップを受けて立候補表明した。いくら前回顔を売って知名度を高めたとはいえ、猪瀬に完敗して百万票にも届かなかった宇都宮氏ではちょっと弱いんじゃないの?と思ったが、まあいつまでたっても誰も手を上げないよりはましだし、出た以上は支持して当選を願うつもりでいたが、自公が舛添要一を担ぎ出す動きに出たのを見て、抜群の知名度を持ち桝添票を食う強力な保守候補が出ない限り、宇都宮知事は絶望的だと諦めた。
(もし、本気で宇都宮氏が勝てると信じ、負けたらまたぞろ不正選挙だなどと言おうと思っている人がいたら、試しに自分で世論調査をやってみればいい。世論調査は誰がやっても罰せられる法律はないから、一人でやるのが大変だったら、仲間を10人ほど募って1日かけて都内を回り、千人ほどのサンプルをとればいい。言っておくが、議員選挙と違い、首長選挙は2位じゃダメなんです、1位じゃなけりゃ勝てないんですよ。)
yjimageNJKS7UUW.jpgそこへきて、周知のように小泉純一郎のバックアップを受けた細川護煕氏脱原発を前面に掲げて立候補表明した。私の好みでいうと、歴代首相の中で好感を持っているのは細川氏と鳩山由紀夫氏だけである。二人ともやったことを評価する間もなく辞任してしまったのだが、私が好感を寄せるのは、人柄と引き際のよさである。首相引退後も延々と、中には死ぬまで国会議員をやって政界に影響力を誇示する輩が多い中で、二人ともあっさり議員を辞めて、特に細川氏はその後、陶芸や書画など芸術活動に打ち込む姿は、どこか浮き世離れして格好よささえ感じてきた。
その細川氏が20年間の沈黙を破って脱原発を掲げ、76歳という年齢をも顧みずに立候補を決意したということは、その言の通り、日本の原発推進政策への危機感だと思うし、むしろ野心や私利私欲とは無縁の無欲からの行動であると信じる。そして、その危機意識は私の危機意識にも通じると思うのだ。今日の朝日新聞によると、「細川氏が脱原発を掲げるようになったきっかけは、2005年に英国中部セラフィールドにある核燃料再処理工場で起きた放射性溶液漏れ事故だった」という。私を含め大部分の脱原発派が、まだ原子力ムラにマインドコントロールされていた頃のことだ。(ついでながら、世間ではあれこれ穿鑿されている小泉氏の脱原発の真意も、私は純粋なものと信じる。)
細川氏の脱原発を含む選挙公約的な政策の中身は、17日の正式な立候補記者会見を待たなければならないが、よほどひどいものでない限り、私の支持は揺らがないと思う。
私は3.11直後から、脱原発のために自覚した市民が主体となって動くと同時に、できる限り幅広い人々を糾合しなければならない、たとえ本心が腹黒くとも、損得勘定であろうともかまわない、原発をやめるという方向の人や団体などとはできるかぎりいっしょにやるべきだと思ってきた。何故なら、敵は強大であり、なおかつ原発を止めることは喫緊の課題だからだ。
そのうえ、安倍政権は原発回帰を進めるだけでなく、これまでの自民党政権と明らかに性格を異にしたファシズム政権といってもいい。今のところまだ、卵から孵ったばかりの幼虫だが、はやいとこ駆除しないと、そのうちだれにも止められない巨大なモンスターになってこの国と民に災厄をもたらす。
その昔、中国では国民党政権に対して中国共産党が血で血を洗う武装闘争を行っていたが、日本軍国主義の侵略から国と国民を守るため、有名な国共合作を行って、毛沢東と蒋介石が手を組んだ。日本の原発と民主主義をめぐる状況も、まさに待ったなしの「国共合作」的な合従連衡が求められる。
細川護煕氏はもちろん、小泉純一郎さえ、民主主義の側にある。彼は筋金入りの新自由主義者でかつ徹底した合理主義者であって、福祉を切り捨て貧富の差を広げてきたが、日本の議会制民主主義を壊しはしなかった。細川氏や彼が安倍政権の「原発政策等」を批判するときのには、私は安倍の反民主主義的性格も含まれているのではないかと思う。
細川氏の立候補表明によって、早くも政府は国のエネルギー政策の閣議決定を都知事選後まで延期することにした。もし細川知事が誕生すれば、安倍政権誕生以来まっしぐらに先祖返りして息を吹き返してきた原子力ムラの魑魅魍魎どもの策謀にも、ブレーキが掛からざるをえないだろう。そうでなくとも、今年は再稼働をめぐる一連の攻防が待ち受けている。首都東京に脱原発派知事が誕生すれば、新潟県の泉田知事はじめ、脱原発派の首長にも大きな力になる。
選挙の結果が、もし細川+宇都宮で桝添を上回っていたのに……などという事態だけは、是が非でも避けなければならない。そのためには、勝ち目のない宇都宮氏が立候補を辞退するのがいちばんだ。負けるベスト候補より勝てるベター候補だ。
賢明にも、宇都宮推薦を決めている社民党は、両者の候補一本化(事実上の宇都宮辞退)を主張している。問題は共産党だ。この党は、先の参院選でたった8議席取って党勢拡張したからといって、委員長が泣き出さんばかりに喜んでいる情けない党だ。ある意味、コバンザメ政党の公明党を裏返したようなところがある。公明党はたとえ安倍が改憲をし、開戦をしても、必死に安倍に媚びを売って政権にしがみついて、「どうか創価学会だけは弾圧しないでください」と泣きつくことが今から見えているような党だが、共産党も安倍が改憲し、開戦しても、議会主義に徹して合法政党として議席を維持することを目的にしたようなところがある党だ。日本の民主主義より90年の老舗の暖簾を守る方が大事とさえ思われる。心配なのは、宇都宮氏の発言が、最近どうも共産党の主張とダブって聞こえることだ。宇都宮氏は、どうか一昨年の最初の立候補時の初心に立ち返って、大所高所から判断して、最善の判断をしてほしいと思う。ついでに、社民党は宇都宮氏を説得すべきだが、説得工作に失敗したら、推薦を取り消して細川支持に切り替えるべきだ。
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