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続・佐世保女子高生殺人事件-父親の「罪」 [Anti-psychotropic drugs]

3日前にこの事件について論じたが、その後明らかになったことがある。
3月2日、父親が寝ているところを少女がバットで殴りかかり、「死にかねない事態」だったという。父親はその後、少女を二つの精神科病院に通わせて治療を受けさせたが、医師から「同じ屋根の下で生活すると命の危険がある」と告げられ、医師と相談し、4月から少女を一人暮らしさせたという。(4日付朝日新聞)
事件は当初、少女が小学校高学年の頃、給食に漂白剤を混入させるなどの問題行動があったこと、中学時代も猫の「解剖」を行っていたことなど、少女を「猟奇犯」へと仕立てる方向へリードされたが、今日の報道を読むと、問題の焦点はむしろ父娘の関係性にあったと思わざるを得ない。
一部週刊誌の報道によると、父親が若い女性と婚活で再婚したのは前妻の死の3ヶ月後だったという。森永卓郎氏がテレビでコメントしていたが、普通の思春期の子どもだったら、「ふざけんじゃねえ」と思うのが当然だ。この父娘、あるいは生前の母親を含めた家族関係がどうであったかは分からないが、妻の死を悲しむでもない父親のこうした行動に不信と憎悪を募らせていった少女の心理はごく正常であり、その結果、金属バットで重傷を負わせる行為に出たことも頷ける。
本来だったら、ここで誰かが救急車を呼んで事件を明るみに出し、少女は逮捕されるべきだった。そうすれば、この父娘関係に何の関わりもない同級生が犠牲になることはなかった。そして、それを機に、父親は真摯に娘と向き合い、話し合うべきだった。そうしていれば、その話がたとえどういう結論に至ったにせよ、今回の事件は起きなかったであろう。現実の「殺人」に踏み出しかけたとはいえ、少女はそれを通して、前回紹介した高岡健の言に従えば、「(殺人未遂)を通過することによって大人になっていく」ことができたであろう。
しかし、父親が実際にとった行動は、世間体を気にして事件を明るみに出さず、恐らく少女とも本気で向き合うことをせず、少女を2人の精神科医(同時にか取り替えたのか不明だが)に委ねるという最悪の選択だった。同じ別居生活であっても、父娘がとことん話し合った末の結論と、精神科医が勧めたからでは、持つ意味が全く違ってくる。少女はこの時、父親に完全に「捨てられた」と思ったことだろう。
そして、精神科医の手に委ねられた少女は、恐らく適切な精神療法を受けることもなく、また100%間違いなく、向精神薬のカクテルを投与されることによって、学校へも通わないたった1人の自室で病的な観念の自己増殖を続けていった。そして、診察を通して少女が「放っておけば人を殺しかねない」と察知した精神科医に、もはや少女を制御する力はなかった。いや、この精神科医も、父親に無責任な別居という「解決策」を提示し、殺人衝動を生む麻薬=向精神薬を投与したことによって、少女の犯行を幇助したのだ。
私も一人娘が5歳の時に離婚し、娘に少なからぬ心の傷を与えたが、かといって夫婦が傷つけあいながら虚構の家庭生活を続けることがいいとも思われない状況で、娘へ与えるダメージを最小限にすべく、できうる最大限のことをしたつもりだ。今となっては再婚の可能性はほとんどゼロに等しいが、もし私ないし別れた妻が再婚した場合は、娘にどんな心理的影響を与えるだろうかと、様々に考えもした。
また、娘とは別居していた都合4年間も含め、常にコミュニケーションに努め、誰よりもよき理解者であり、相談相手であり、頼れる存在であり続けたいと思い、努力してきた。だから敢えて言わせてもらった。
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