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0ベクレル食品は国民の権利 [No Nukes]

本来私たちは、誰もが安全な食品を食べる権利を有している。しかし、資本主義社会では国民は消費者として食品を貨幣と交換して手に入れ、生産者(=農漁業者や食品加工業者)も資本主義の生産・流通システムに組み込まれている。したがって、生産者はより効率的に生産して利潤を上げなければならないし、消費者もより安価な食品を求めようとする。その過程で、本来食品に含まれない残留農薬や食品添加物の含まれる食品を食することを余儀なくされる。
残留農薬にしろ食品添加物にしろ、本来人間の体にとっては異物であり、である。しかし、資本主義社会では、その毒に一定の制限(それは歴史的、社会的条件によって決められる)を設けて、それ以下なら健康に大きな害を与えないとして許容される。いわば、国民が消費者として強いられるがまん値である。それにがまんできない人は、消費者であることをやめて自ら安全な食物を生産するか、かなり高い対価を払って無農薬農産物や無添加食品を求める選択肢がある。
このようにして多くの国民がある種の妥協をしてがまんを強いられるのも、それによって農漁業者や食品加工業者の利益を確保して彼らの生存・存続を保障しなければ、資本主義のシステムが守られないからである。いわば資本主義のシステムは、人間の命や健康と生産者の利益とを天秤にかけてその平衡点をさぐる仕組みである。
放射性物質はいうまでもなく人体に有害である。1ベクレルでも人体に取り込まれ、排泄されずに体内に留まれば、ほぼ一生DNAを傷つけ続ける。しかし、現実に原発事故が起きて放射性物質が広範囲に国土を汚染したため、政府は基準値を設けて、それ以下は国民にがまんを強いている。
だが、放射性物質が残留農薬や食品添加物と異なるのは、放射性物質が食物に含まれることによって利益を得る者は誰もいないということである。その意味で、資本主義的生産システムが強いるがまん値とは本質的に異なる。
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福島のキュウリをほおばるアホ首相

食品衛生法は第6条で次のように定めている。
第六条  次に掲げる食品又は添加物は、これを販売し(不特定又は多数の者に授与する販売以外の場合を含む。以下同じ。)、又は販売の用に供するために、採取し、製造し、輸入し、加工し、使用し、調理し、貯蔵し、若しくは陳列してはならない。
二  有毒な、若しくは有害な物質が含まれ、若しくは付着し、又はこれらの疑いがあるもの。ただし、人の健康を損なうおそれがない場合として厚生労働大臣が定める場合においては、この限りでない。
放射能の食品基準値は厚労省が定めているので、一見合法のように見えるが、上述したように、それは本来、食品添加物のように、大量生産・大量消費の資本主義的食品生産に基づいて国民が強いられるがまん値であって、誰にも利益をもたらすものではない放射性物質を国民が受忍する義務は、憲法で保障された生存権を侵すものだと考える。
なおかつ、残留農薬や食品添加物については、国民の犠牲を伴う長い歴史の中である程度は人体に与える影響も研究されてきている一方、低線量放射性物質による内部被曝の人体へ与える研究は不十分で、政府の基準値は何の根拠もない単なる線引きに過ぎない。
しかも、食品添加物については食品への表示が義務づけられ、農産物については無農薬や低農薬・減農薬のものを生産物に表示して差別化することが許されている。消費者はそれらを判断材料に、より安全な食品を選ぶ自由が保障されているのだ。
しかし、放射性物質については原則、基準値をクリアした食品だけが流通ルートにのることとされているだけで、消費者には産地表示以外により汚染されていない食品、0ベクレルやより0に近い食品を選ぶ自由すら奪われている。この事態は国民の生存に関わる自由な選択権を奪うことにほかならない。
消費者にとっては産地以外により放射能フリーな食品を選ぶことができないこのような状況で(しかも加工食品となると、原料の原産地はより特定しにくくなる)、それを称して風評被害などと呼ぶのは的外れといわざるをえない。
本来、放射能汚染地帯には、人が住むことはもちろん、農水産物を生産することもあってはならない。しかし、東京電力のまき散らした放射性物質があまりに広範囲・高濃度であったため、その原則を貫こうとしたら、東電の経営破綻はおろか、国の財政や経済に与える影響が大きすぎるため、国は国民を欺きつつ、汚染地帯に福島県民をはじめとする住民を住まわせ続け、農水産物を生産させ続けているわけで、その結果は、事故後3年にして疑い例を含め18歳未満の子どもの甲状腺がんが百名を突破する事態等となって、健康被害がますます深刻さを増している。
風評被害キャンペーンがすっかり定着した今、汚染食品は止めどなく日本国中に広がりつつある。そうしたなかで、私たち0ベクレル派ベクレルフリー派は、一時も気を緩めることなく、日々の食生活で1ベクレルでも体内に取り込まない、取り込ませない努力を続けていくしかない。

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