SSブログ

気がつけばここはもうファシズム [Novel]

*以下の文章はフィクション、ないしは筆者の妄想です。

今回の朝日新聞従軍慰安婦問題と東電福島第一発電所事故の吉田調書をめぐる誤報謝罪事件について、そのディテールについてあれこれ論ずる意味は全くない。問題の本質は、このふたつの事件が、同一組織によって仕掛けられた罠であり、後世の歴史に残る言論弾圧事件の幕開けであるという点にある。
その男は、若い頃から朝日新聞を日教組とともに「戦後レジーム」の象徴として忌み嫌い、目の敵にしてきた。そして、いつか自分がこの国の絶対権力を手に入れた暁には、どんな手を使ってでも叩きつぶしてやるという執念を持ち続けてきた。
おそらく、かなり以前から、朝日新聞社内には「A組織」によって送り込まれた工作員か、買収されたスパイが複数おり、彼らは社の幹部級クラスにのぼりつめていたのだろう。したがって、吉田証言問題は彼らが社内で提起してあのような特集記事となったのだ。当然その結果は目に見えていた。久しい以前から、反中・反韓の扇動機関と化していた一部週刊誌から一斉攻撃が浴びせられ、他のマスコミからも批判される。
それに先立ち、別の工作員らは「A機関」から吉田調書を極秘裏に手渡され、スクープする。しかも、歪曲された形で。そして、従軍慰安婦問題で社が一斉砲撃を浴びているさなかに、「A機関」直属の産経新聞が吉田調書を入手したとして、朝日と違う内容を報道し、間を置かずに政府は、それまで非公開としてきた吉田調書の公開に踏み切る。
こうして朝日新聞は、ふたつの連続して起きた「誤報事件」に謝罪することとなり、社長は引責辞任へ追い込まれる。
先にNHKの完全私物化に成功していた「A機関」は、こうしてマスコミ界のいちばんの敵である朝日新聞を解体的危機へ追い込み、社会的影響力を決定的に削ぐか、御用メディア化させる。
テレビ界では系列のテレビ朝日の報道ステーションで、フクシマのタブーを追い続けてきたディレクターを「怪死」させスタッフを萎縮させたところで、これまた「誤報謝罪」をつくり出し、キャスター降板へと追い込む。
こうしていちばんの敵を叩けば、日本のマスコミはそれ以上直接手を下す必要はない。2番目に「困った存在」だった毎日新聞・TBSは、自己保身に走るのが自明である。それでなくとも、毎日新聞にはかつて西山問題で大打撃を被った苦い過去がある。首脳陣はむしろ朝日の苦境を自社の再浮上のチャンスととらえ、積極的に御用メディア化するだろう。
「A機関」にとって、東京新聞は一地方紙扱いである。当面はやりたいようにさせておくだろう。日刊現代も、タブロイドの駅売り夕刊紙だ。勝手にほざけ、といったところだろう。
失言.PNGすでに絶対権力を手中にしたその男は、権力獲得以来、1人の閣僚も辞任させていない。「ねじれ国会」、いや、それ以前の政権でも、すでにとっくにいくつもの首が飛んでいたであろうほど、失言・暴言・軽率行動大臣が続出したにもかかわらず、である。(「朝日新聞」6月24日の一覧参照)民主党政権時代には鉢呂経産大臣を「A機関」直属の記者を使って謀略事件をでっち上げ辞任に追い込みさえしたのとは、あまりに対照的だ。
その男のマスコミ戦略の目的は、まさに総御用メディア化にある。批判を一切許さず、「戦後レジーム」=民主的政治機構の解体を容易に進めるためである。その先にあるのが改憲であることは言を俟たない。
その男は、一見アホに見えるが、権謀術数をめぐらす才能にかけては他の誰よりも長けている。甘く見ると、今回の朝日のようなことになる。
その男を葬り去るか、逆にその男によって日本の未来を葬ることになるか、恐らく次の総選挙が天下分け目のたたかいになるだろう。しかし、2年前、脱原発を実現するか日本滅亡への道を歩むか天下分け目のたたかいで後者の選んだこの国の有権者は、次の、恐らく現在のような、形だけでも民主的な方法によって行われる最後の選挙で、どんな選択をすることになるのだろうか???
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。