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政治も生活も命も人に託すのはやめよう、自己決定権を取り戻そう! [Politics]

自給自足社会では、村落共同体が人々の生活の決定権を実質的に持っていた。そこでは個人は共同体と渾然一体となった存在だった。そして、共同体の中で人々は自足していた。
だが、貨幣経済が発達して分業が進むと、人々は自身の生活の一部を他人に付託するようになった。西洋では、民主主義の名の下に、その付託行為を社会契約として遂行した。その自己分裂の過程で、逆説的ではあるが、個人には自我意識が芽生えた。人々は自我意識の確立とともに、自身の一部を他人に委ねる契約を結ぶようになったのだ。
ところが、共同体社会(=ムラ)からいきなり資本主義化した日本では、その自我意識の確立→社会契約というプロセスを抜きにして、自己の一部を他人に無分別に付託する悪習が常態化してしまった。その最たるものが政治だが、話はそれにとどまらない。資本主義社会の分業体制は人々の労働を賽の河原で石を積むような単純で無味乾燥な労働と化したが、契約社会はその代償として時間に応じた相応の賃金を保障した。ところが労働の裁量権を予め奪われたこの国の労働者は、その最低限の契約の権利さえ行使することなく、奴隷のごとく自身の時間とエネルギーを会社に捧げる。また、この国の人々は、自身が病気になれば、命すら簡単に医者の手に委ねてしまう。そして、医師を先生、先生と神のごとく崇めたてる。医師は専門知識がある(はず)だからまだいいかもしれない。どうしても理解できないのは、何の専門性もなく、ただ金と権力と自己顕示欲だけあるにすぎない政治屋を先生、先生と祭り上げ、政治も無分別に一部の人間どもに付託することだ。なるほど、この国の政治屋はジジイばかりだから、文字通り先に生まれた「先生」かもしれないが……。
そのようなムラ社会の構造を根本的に変えない限り、政治も社会も経済も、常に他人任せのお気楽無責任主義がはびこり、これ以上よくなろうはずもない。
選挙のたびに、空疎に「投票に行こう!」「権利を行使しよう!」云々と叫ぶ人々に問いたい。あなたは、前回の選挙から、政治や社会のあり方を変えるために何をしてきましたか? その問いにはっきりと答えられる人を、私は認める。だが、(何も政治活動に限定されないが)何もなすことなく、とにかく選挙に行こう、政治を変えるチャンスだと、選挙のたびに声高に主張するだけの人を、私は信じない。
欧米では政党そのものが国民にもっと日常的で身近なものとして存在する。ティーパーティーがいい例だ。ところがこの国でそのように政治が身近にあるのは、マチやムラのボスやそのボスに絡め取られている保守的な地域住民だけだ。リベラル、民主派ほど、日常生活の延長上に政治があるのではなく、一部の「政治的」な人々では、デモと選挙が断絶している。

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紫陽花革命は遠く…

2014年年末選挙は、2012年年末に予め敗北している。あの選挙こそ、日本がいい方向に変われる最大・最後のチャンスだった。私は2011年秋からそう言い続けてきた。その最後のチャンスを失った時、私は政治でこの国を変えるのは(脱原発ひとつとっても)、少なくともこの先5年10年は難しいと判断した。そして、原発再稼働を許した5年後、10年後の日本は、その存在さえ保証されてはいないが、とにもかくにも、私は別の道からこの国を、この国の人々の意識を変える努力をしていこうと決めた。
たしかに2012年年末以降のこの国の政治、さらには経済・社会は悲劇的を通り越して喜劇的状況にすらあるが、だからといって、今度の選挙でその流れを食い止めることなどできないだろう。政治を通してこの間、それに立ち向かってきた人々は、デモや集会以外にこの選挙に備えて何をしてきたというのか? それなりの戦略を練って備えてきた人々がいるとしたら、それは共産党だけではかろうか? 彼らが今度の選挙を「自共対決」と称する自信もその辺にあるのだろう。
しかし私は、その共産党も含む既成政党は、広い意味の日本ムラの構成要素であって、人々の自立(自我や主体性の確立)を妨げる装置と思っているので、積極的に支持する気にはなれない。
そういった意味で、私は今度の選挙にはほとんど関心が持てない。期待も持てない。その代わり、日本の滅亡に間に合うかどうか分からないが、この国に自分の判断力で自らの命と生活を積極的に選択していける市民主体を育む意識革命を起こすべく、地道に私のできることを微力を尽くして続けていくだけだ。

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