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何でも病気にしてしまう『DSM―5』 [Anti-psychotropic drugs]

昨年日本語版が出版された『DSM―5』(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版、アメリカ精神医学会、2013年)は、相変わらず心のちょっとした変化を「脳の病気」として精神科へ誘導し、患者を薬漬けにしようとする意図に貫かれている。
例えば、月経前不快気分障害
「月経前不快気分障害:いちじるしい情緒不安定、イライラ感、抑うつ気分などの症状が月経開始に先立つ最後の週に出現し、月経開始後二、三日以内に改善しはじめ、月経後には見られなくなることで特徴づけられる」
恐らく初潮後閉経までの女性の大部分が、多かれ少なかれこれに当てはまるのではないだろうか。男の私にはよく分からないが、私の観察眼では、身の回りの女性の多くは、だいたい「月経前不快気分障害」の兆候が見られる。
そのうち、生理のうつなどという、うつ病啓発キャンペーンが始まるのではないかと心配になる。

“生理は、どこがつらくなるでしょう? 下腹部です。心です。よく知られたことですが、生理には、お腹の痛みだけでなく、イライラ、情緒不安、憂うつなど心の症状も伴います。 でも、悩まないで。それはうつ病の兆候でもあり、不快な気分も治療ができます。まずはWEBで、お近くの精神医・心療内科を探してください。 生理はつらいものです。でも、心の薬がそれを和らげてくれます”

内海聡医師は『精神科は今日も、やりたい放題』の中で「やけ食いと何が違うの? 摂食障害」と書いているが、とうとう『DSM―5』ではむちゃ食い障害なんていう障害まで登場してしまった!「Binge-Eating Disorder」の訳で、日本精神神経学会の「DSM―5病名・用語翻訳ガイドライン(初版)」(https://www.jspn.or.jp/activity/opinion/dsm-5/files/dsm-5_guideline.pdf)では「過食症障害」と訳しているが、『臨床家のためのDSM―5 虎の巻』(森則夫・杉山登志郎・岩田泰秀著、日本評論社)では「むちゃ食い障害」となっている。「Binge-Eating」は一般的には「むちゃ食い」なので、普通の感覚としては「むちゃ食い障害」となるだろう。
なんだか、頭がおかしくなってきた。たしかに、精神医学、精神医療の世界というのは普通じゃない!




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