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(精神)薬信仰、反向精神薬-どちらがカルト? [Anti-psychotropic drugs]

ひと月余り前、ちょうど自著『のむな、危険!-抗うつ薬・睡眠薬・安定剤・抗精神病薬の罠』の見本が数冊手元に届いた頃のことだった。私はたまたまある会で、30代前半の青年に出会い、彼がパニック障害で3ヵ月前からメンタルクリニックに通っていると聞いたので、「今ならまだ間に合う」と言って、持っていた本を彼に手渡した。私は、彼のような人にこそ読んでほしいと思いこの本を書いただけに、内心「これで1人、人生を台なしにされ、めちゃめちゃにされるかもしれない人を救うことができた」と得心したものだった。
ところが、数日前、その会に参加していた知人からショッキングな事実を知らされた。彼がその後、ある人に「自分は薬に救われた」と言ったそうなのだ。実は、彼は親友を自死で失っている。その親友は死の前に鬱で向精神薬を服用していた。そして、向精神薬被害者の知人も、肉親を自死で失っているそのまた知人も、その会で向精神薬の危険性を訴えていたのだ。
どうやら彼は、それ以前から向精神薬あるいは薬一般への絶対的な信頼というか信仰があり、自分のパニック障害が薬によって一時的に癒されたためその信仰がいっっそう深まり、私たちの声には聞く耳を全く持たなかったようなのだ。あるいは、その会での知人やそのまた知人、あるいはいきなり本を手渡した私の存在を、カルト集団がグルになって押しかけてきた、というように感じとったのかもしれない。だとしたら、私の本など読む気も起こらないのは当然だろう。
今も深刻な後遺症に苦しむ知人は、「そのうち痛い目に遭えば、彼も気づくだろう。今はその時期じゃなかったのだろう」と冷たく彼を突き放した。しかし、私は彼を救うことができなかったことが無念でならない。
私が向精神薬の問題に関わるようになって、多くの被害者、そして苦しい思いをして断薬をした人々に出会ってきたが、一方で、向精神薬の危険性を知る機会を持ちながらも、自らそうした情報を遮断して、すでに薬のせいで症状が悪化しているにもかかわらず、医者や薬への信仰を断てない人々もまた、何人も見知ってきた。
私の場合は、そもそも最初から向精神薬への恐れ、常用することへの不安があったので、医師への不信も芽生えたし、はっきりとは分からないまでも自分が「薬をやめられない体になってしまった」という認識は、服薬後2、3年目には持ち始めていた。だから、遅きに失したとはいえ、向精神薬の本質を知った時、それを疑うことは全くなかった。ただただ、自分の無知と、欺されていたことが悔しくてならなかった。
だから、要は精神医療ムラのウソを暴き、正しい情報を被害者をはじめとした多くの人々に訴えれば、やがて真実が勝つのだと、少々楽観的に考えすぎていたようだ。実際は、精神医療ムラの洗脳工作は圧倒的な力をもって、一般人だけでなく、当の被害者自身の判断力をも奪いつくしているのだ。
それは原子力ムラのケースと全く同じだ。当事者=立地自治体・住民には交付金や寄附金という金の力で、一般国民には継続的な原子力安全神話キャンペーンによって洗脳しつくした。それは3・11によって崩壊したかに見えたが、立地自治体・住民には「原発がなくなれば地元経済が立ちゆかない。生活できなくなる」という強迫観念を植え込むことによって、そして一般国民に対しては原子力安全神話に代わる放射能安心神話をまき散らすことによって、みごと復活を果たした。
本来なら原発の恐ろしさと放射能の怖さを身をもって体験したはずの福島県民の中にも、真っ先に苦渋の決断をしてふるさとを捨て遠くへ避難した人、放射能の恐怖や不安とたたかいながらもふるさとに残る選択をした人々がいる一方で、原発や放射能の現実・真実から目を背けて何ごともなかったかのようにそこで暮らす道を選択した人々もいる。ましてや福島から遠く離れた他の国民は、大多数がフクシマは過去のことという認識で、まんまと放射能安心神話の罠にはまっている。ここまでくれば、原発再稼働は時間の問題だ。
やはり「そのうち痛い目に遭えば気づくだろう」と突き放すしかないのだろうか? 元来おせっかいな私は、どうしてもそういう態度がとれない。危険ですよ! 危ないですよ! 欺されちゃダメですよ! と呼びかけたくなるのだ。しかし、そうした私の訴えは、雑踏で「ハルマゲドンが近づいています。信じる者だけが救われるのです!」と呼びかけているカルト信者のように、一般国民の目には映るのか? あるいはそう見える人々こそが、××ムラにマインドコントロールされて、真実から目を背けているだけなのか?
今こそ理性と感性を研ぎ澄ませ、現実から目を逸らすことなく真実と向き合い、自身を信じて行動していかなければならない。



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