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夏休みの1冊はこれ!『亡国記』-みんなで考えよう「原発再稼働」 [No Nukes]

戦争で「国破れて山河あり」、原発で「国滅びて山河のみ」
戦争法案を巡る安倍政権の横暴ぶりに、さすがに多くの国民が安倍の正体に気づき始め、「アベ政治を許さない」という声が日増しに強まりつつある。脱原発の抗議運動の時には弱かった学生等若者たちの動きも、SEALDsを中心に目立つようになった。
しかし、その陰に隠れるように、川内原発では1号機への核燃料の搬入が7月7日に始まり、8月10日にも再稼働する見通しだ。新しい規制基準による初の再稼働で、これを許せば来年以降、雪崩を打つように再稼働ラッシュが始まるものと思われる。
誤解を恐れずにあえていえば、たとえ戦争法案が通った果てに日本が戦争に巻き込まれ、先の大戦のような悲惨な結末を招いたとしても、敗戦の廃墟の上にゼロから、今度こそ過去の亡霊を一掃して新しい国造りをしていくことは可能だが、地震と火山の活動期に入った今、再稼働の果てに第2のフクシマを招いたら、壊滅的な核汚染の果てに、たとえ生き残った者がいたとしても、二度とこの国土、日本列島の上に原発のない新しい国造りをすることはできないのだ。原発で国が滅びれば、核に汚染された山河には二度と人が住めなくなってしまうからだ。
3年前、官邸前や国会周辺に集まった市民たちは十分自覚しているだろうが、多くの国民は、そうした危機意識とフクシマの真実にあまりにも疎いのではなかろうか?
もう一度確認しよう。今日、政府やマスコミによって操作された「フクシマ」でなく、ありのままのフクシマの真実を前提にしたとしても、それは数々の幸運の積み重ねによって「あの程度」の事故で済んだという事実を。
例えば、あの事故が東の外れの福島で起きたために、排出された核物質の8~9割方が広大な太平洋へ流され、国土の汚染が極限されたこと。もしあの事故が浜岡原発以西の原発、つまり日本の原発の半数以上がある地域で起きていたら、核物質の大半は日本の国土、それも関東地方をはじめ最も人口が集中している地域を汚染したであろう。
あるいは、福島第一原発が相次いでメルトダウンした時、福島第二も一時期避難指示が出されていたし、さらに女川原発や東海第二原発も間一髪で全電源停止や津波による浸水の被害を免れたという事実を。もし地震が、敦賀・大飯・美浜・高浜原発やもんじゅの集中する若狭湾で起きたら、一原発で被害を食い止めることは不可能で、連鎖的に他の原発にも被害が及ぶだろう。フクイチでさえ、一時「撤退」の話が出たのだ。当時最高権力者であった菅元首相自ら、「首都圏5千万人の避難を考えた」と後に述懐している。もし若狭湾の「原発銀座」で破滅的な連鎖事故が起きれば、関西圏・中部圏・首都圏と日本の人口の大半が集中する広範な地域に避難命令が出されることになるが、何千万もの人間がどこにどう避難しろというのだろうか? そして、そうなれば、どこかの大臣が「福島では一人の死者も出さなかった」と豪語したその放射能の急性障害による死者を出すことが避けられないだろう。
未だ12万人が避難生活を余儀なくされている福島県民の払った犠牲を、あまりに軽く考えすぎているのではなかろうか? その福島県民には申し訳ないが、被害が「あの程度」で済んだことを、他の1億2千万人の国民は感謝しなければならないのだ。そして、感謝するということは、二度と同じ過ちを犯してはならないということに他ならない。

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すべての日本人に読んで欲しい、そして考えて欲しい!
そういう切なる気持ちから、私は2年近く前に、想像力をはたらかせて「最悪のシナリオ」のひとつを考えてみた。そして、それを小説にしてみた。すべての日本人に読んで欲しい。そして考えて欲しい-その思いが今、ようやく『亡国記』という作品に結実し、みなさんに届けることができることになった。(8月初め発売予定・ただ今予約受付中)
川内原発再稼働を目前に控え、この夏休み、できれば一家に1冊備えて、お子さんからおじいさん、おばあさんまで読んでいただいた上で、みんなで話し合って欲しい。そして、ひとり一人が自分の問題として原発の問題を考えて欲しい。



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めり

けさの東京新聞で斎藤さんが激薦してますが、セイジカサンに真剣突き付けてお読みいただきたいですね。まだ読んでませんがσ(' ';)
by めり (2015-08-05 10:07) 

北野慶

ぜひご覧ください!
私は、政治家よりも国民ひとり一人に読んでもらい、原発の問題を自分たちの問題として真剣に考えてほしいと思い、この小説を書きました。
by 北野慶 (2015-08-06 11:04) 

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