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地球温暖化の幻想-『地球はもう温暖化していない』という本 [Criticism]

私が子どもの頃、(温暖な湘南地方で育ったのだが)家の前を川が流れていたこともあってか、夏は夜、雨戸を閉め切って寝て、たまに小窓を開けたままだと寒いくらいだった。また、小中学生の頃に大雪が降り積もったことが何度かあった。
時が流れてバブルの頃、そのおこぼれに与った私はクーラーを買ったのだが、あいにくその夏は冷夏で、1、2度しか出番がなかったことを覚えている。
その後、3年間韓国暮らしをして90年代前半に日本に戻った翌年の夏はえらい暑さで、急遽エアコンを買って暑さを凌ぎ、それ以来、エアコンなしの夏は考えられなくなった。暖冬も続き、桜の開花時期も年々早まるように感じられた。
だから、90年代は「地球がCO2のせいで温暖化している」と言われると、経験的にそれを信じて疑うことはなかった。
ところが、今世紀に入ると、ゲリラ豪雨とか突風、竜巻があるかと思えば、年によっては寒い冬も多く、浦和に住んでいた10年前頃には、近くの見沼用水が凍るようなこともあった。そして、私自身は関東地方を離れていて実際に経験しなかったのだが、昨年冬の2度の大雪だ。単なる温暖化ではなく、気候の変動が激しくなったと感じられたが、テレビではこれも温暖化の影響だ、というような風説がまことしやかに語られていた。一方、数年前から「地球はむしろ寒冷化している」というような話も耳に入ってくるようになり、心のどこかに引っかかるものがあったのだが、「そのうち映画”Day after tomorrow”のようなことになるのだろうか」などと空想するくらいで、現実感は湧かなかった。
なんせ、日本では超党派的に「温暖化から地球を救うためCO2削減を!」と、政府やマスコミから環境NGO、市民団体まで一致しているのだから、それに反する意見を持つことはカルトに入信するくらいの覚悟がなければならないのではないかと思われるくらいで、あえて真面目にその説に耳を傾けることがなかったのだ。
CO22.jpg今回、ある種の覚悟を決めて深井有著『地球はもう温暖化していない』(平凡社新書)を読み、カルトになる覚悟を固めた(笑)。
上述したように、私の「温暖化」感覚は、せいぜい自分の数十年の人生に基づいた経験論に過ぎない。しかし、本書はまず、地球46億年の歴史、少なくとも人類誕生以来も何度となくくり返されてきた氷河期と間氷期の極端な温度差や海面の上昇・降下等を振り返れば、CO2温暖化説はせいぜい資本主義の時代のここ200~300年の地球の気温変化、とりわけ20世紀後半の数十年の気温変化しか見ていないという、極めて真っ当なことを指摘している。元来、地球46億年どころか宇宙138.2億年の歴史に興味のある私には、えらく説得力のある主張だ。
また、著者はCO2による温室効果の結果生じる気温上昇を否定はしていないが、地球の温度変化に最も大きな影響を与えるのは太陽の活動であり、主には黒点の変化がメルクマールになるものの、その他、地球の楕円軌道を描く公転、自転の傾き、さらにはわれわれ太陽系が銀河系の中を公転する壮大な運動まで含めて複雑な要因がからまりあっていること、地球上に目を転じても、わずかばかりの量のCO2の変化以外に、太陽風に影響される宇宙線が関係する雲の生成が大きく関係していることなど、地球の温度変化の分析は一筋縄でいかないことを説いている。
また、地球温暖化とヒートアイランド現象が往々にして混同され、後者がCO2温暖化説に利用されている実態も暴かれる。
なにより決定的なのは、日本のマスコミではほとんど報じられなかったIPCC(気候変動に関する政府間パネル)のクライメートゲート事件(2009年)によって、IPCCの数々のデータ捏造や不正が暴かれたことを知っては、これ以上CO2地球温暖化説を信じることができなくなる。
では、何故このような国際的な陰謀が繰り広げられてきたのか、日本の原子力ムラを一員とする国際核マフィアの「原子力の平和利用」陰謀のように、きっとそこには政治的・経済的に利益を得るマフィア的存在があると疑うのが筋だろうが、残念ながら本書は地球温暖化説のウソを学問的に実証し、それを平易に説くことを目的としているので、そこへは立ち入っていない。
CO2.jpgそこで他に類書がないか求めたのだが、驚くほどない! すぐに見つけたのは、広瀬隆氏が3.11以前の2010年に出した『二酸化炭素温暖化説の崩壊』(集英社新書)だった(広瀬氏が反温暖化論者であることは以前から知っていたが)。この本の前半は上述書で詳述されていることと大部分重複する。そして、後半では原子力ムラがCO2悪者説に便乗していかに「クリーンエネルギー」を装ってきたかが述べられているが、犯人ははたしてそれだけだろうか? 私には1970年代にOPEC(石油輸出国機構)が石油メジャーに対抗して石油権益を握るようになったことに危機感を覚えた先進諸国が、石油枯渇説とともに産油国を叩くためにCO2地球温暖化説を唱えるようになったのではないかという気がしてならない。そして、当時の産油国の大半はアラブのイスラム諸国だ。今日のイスラム原理主義やテロの淵源のひとつもその時代の対立に行き着くだろう。(もうひとつの淵源はいうまでもなくイスラエルのシオニズムだが)

余談になるが、実は私が温暖化説に疑問を抱いた最近の出来事に次のようなことがある。NHKは昨年8月31日、「NHKスペシャル 巨大災害 第2集「スーパー台風“海の異変”の最悪シナリオ」を放送した。地球温暖化により、当初海水表面の温度が上昇したが、それが今では深海の温度が上昇し、それが原因となって南の海で巨大台風が発生、日本近海の海水温も上昇しているため、勢力を弱めずに北上し、日本列島に甚大な被害を与えるだろうという、NHKらしからぬ、いたずらに国民の不安を煽るような内容の番組だった。そして、それを見たときは正直「恐い」と思った。完全に洗脳されたのだ。
ところが今年10月19日付の「朝日新聞」「(台風被害に学ぶ)巨大台風に襲われたら 湾岸地域、広範囲に浸水」という特集記事を読んで「おや?」と思った。そこには過去に日本を襲った巨大台風として1959年の伊勢湾台風と1961年の第2室戸台風の例などが載っていたのだが、前者の上陸時の気圧は929ヘクトパスカル、後者は925ヘクトパスカルだった。温暖化したはずの近年、これほど強力な台風が日本列島を襲ったことがあるだろうか? あの2005年にアメリカ南部を襲ったハリケーン・カトリーナでさえ920ヘクトパスカルだった。(戦後の上陸時の気圧が低い台風ベスト10のうち1980年代以降は3位の1993年13号台風・930、5位の1991年の19号・940[~10位まで同じ940]の2つだけ。7つは50~60年代)
おいおい、温暖化してからはそんなスーパー台風、ほとんど上陸していないのに「これから来るぞ!」と脅しておいて、実は温暖化する前の50~60年代にスーパー台風がいくつも来てたのかよ!
上述の2書を読むと、CO2地球温暖化説にはこの種の詐術に事欠かないことが顕わになる。

亡国記CM.jpg



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