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新電力会社選びのポイント [No Nukes]

4月の家庭用電力自由化が迫り、いよいよ新電力に乗り換えようといろいろ調べてみた。首都圏や関西圏と違い、中国地方は利用できる新電力会社がHTBエナジーイーレックスauでんきの3社しかない。そのうちauでんきは100%既存電力などから買い入れた電力であることが明らかなので除外し、他の2社のホームページを詳しく調べてみた。両社ともバイオマス発電の自家発電やコジェネ発電所との契約、地熱発電をはじめとした再生可能エネルギー等新規電源の開発などを謳っているが、電気料金以外は、表示義務化が見送られた電源構成比や自社電力と他社からの買い入れの比率など、具体的な数字は一切載っていない。
そこで、直接聞いてみようとしたのだが、週末でカスタマーセンターが休みだったので、両社にHPのフォームからメールで質問してみた。ところが、数日しても両社とも何の返事もないので、昨日電話してみたところ、カスタマーセンターの窓口では満足な答えが得られない。そもそも「電源構成」の何たるかさえ知らない様子で、「従量制の場合云々かんぬん」と見当外れの返事が返ってくる。それで折り返しの連絡を待つことになったのだが、結局得られた回答は、両社とも電源構成比や自社発電と他社からの調達の比率等についてはお答えできない、ただし日本卸電力取引所(主な会員企業は原発推進既存電力9社+電源開発に、東京瓦斯・大阪瓦斯・丸紅・新日鉄エンジニアリング等)等からの電源調達も行っている、というようなものだった。
大いに期待した新電力だが、拍子抜けがした。そこで、他地域で供給予定の大手もこんな感じか聞いてみることにして、とりあえずエネオスでんきに電話してみた。すると、ここではさすがに今までも企業向け売電の実績があるだけあって、電源構成比についてはすぐに回答があったのだが、「東京電力等」を含む他社からの調達比率については「電力供給の不安定さもあり正確なところは把握しかねる」というような曖昧な答えしか返ってこない。
最初は10社くらい電話してみるつもりだったが、だいたい他も推して知るべしと、やる気が失せた。それからウェブを眺めていたら、エネルギー情報局「新電力会社グループ別一覧」というページ(http://j-energy.info/?page=group)を発見した。だいたい新電力関係のページは価格比較サイトばかりで辟易していたのだが、このページは私が知りたい情報が手際よく整理して載せられていた。少々情報が古いのと、ここに掲載されている会社がすべて4月から家庭向けに電力を供給するわけではないことを除けば、大いに参考になる。
まず、このサイトの特徴は、各電力会社を「電力会社系」「ガス会社系」「石油会社系」「商社系」「金融・不動産系」「官公庁・生協・組合系」「自動車・鉄道系」「通信・ケーブルテレビ系」「設備保守会社系」「製紙会社系」「太陽光関連」「メーカー・エンジニアリング系」「小売・飲食・サービス系」にカテゴライズしていること。いちばん最初の「電力会社系」はいうまでもなく原発保有の既存電力会社だが、カタカナ系の名前にして新電力を装っているのがあるので要注意の部分だ。それから、「商社系」「金融・不動産系」「通信・ケーブルテレビ系」「設備保守会社系」「小売・飲食・サービス系」などはほぼ100%既存電力会社をはじめとした他社から買い入れた電気を小売りする形態と見て間違いないだろう。これでは、既存電力会社から新電力会社に乗り換えたつもりが、中身はそのままだったなんていうマンガのような事態になりかねない。もちろんこのような最悪の場合でさえ、4割弱しか占めない家庭用電力需要に高く電気を売りつけて7割もの利益を上げている既存電力会社は、新電力会社へは家庭用よりはるかに安い価格で電気を卸売りすることになるだろうから、その分、既存電力の儲けは減ることにはなる。喩えは悪いかもしれないが、格安スマホ会社がNTTドコモをはじめとする既存携帯会社の回線を借りているからといって、その需要が伸びれば既存携帯会社の経営を圧迫するのと同じような構造だ。
その他、「自動車・鉄道系」「製紙会社系」「メーカー・エンジニアリング系」等メーカー系の中には従来から自社で独自の発電設備を有している所も少なくないので、100%外部調達とは限らない。
そして、いちばん既存電力依存が低い部類が「ガス会社系」「石油会社系」「官公庁・生協・組合系」「太陽光関連」だろう。なかには「CO2による地球温暖化」を心配して「ガス会社系」「石油会社系」を嫌う人もいるかもしれないが、私はCO2温暖化説自体が国際原子力・核マフィアの陰謀だと思っている(http://kei-kitano.blog.so-net.ne.jp/2015-11-22)。それはさておいても、今の日本にとって地球温暖化と原発再稼働のどちらが危険かといえば、大部分の人が後者と答えるだろう。これらの範疇に属する会社から電気を買える地域の人は最優先に検討すべきだと思う。
さて、最初に戻って私が選べる2電力会社をこのサイトで調べてみたら、イーレックスは阪和興業、太平洋セメントと並んで原発3メーカーのうち日立製作所東芝が資本参加していることが分かった。そこで消去法に従い、ハウステンボスが51.1%出資する(同社のHP)HTBエナジーを選ぶしかなくなった。

現実を見ると必ずしも「電力自由化万歳」とはいえない問題点が浮き上がってくるのだが、だからといって既存電力会社をそのまま使い続ける選択肢はないと思う。ベストとはいえなくとも、とりあえず4月からよりベターな新電力会社を選んで契約し、その後、よりよい会社が参入してきたら、来年以降はそちらに乗り換えることもできる。ベストは地産地消型の地域電力会社が全国にできることだろう。
一方、既存電力会社も各社との価格競争に負けないためにも、当面原発再稼働を急ぐだろうが、それを阻止するためにも、消費者の積極的な新電力への乗り換えが必要だ。地域独占体制を崩してシェアを奪えば、原発はいずれ電力会社の重荷にならざるを得ない。また、それを促進させるためにも、総括原価方式の1日も早い廃止と、発送電分離を政府に強く迫っていくことも必要だ。
また、一戸建てを所有する家庭では、ソーラーパネルや太陽熱給水器を設置したり、新築時に断熱や廃熱、風の流れを利用したよりエネルギー効率の高い家を建てることにより、オフグリッドの完全エネルギー自給自足住宅化を図ることを検討してみるのもいいと思う。

自由化.jpg


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