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Kポップ20年…「現地化戦略」BoAから韓国語で歌うBTSまで(ハンギョレ、5月11日から翻訳) [Korea]

Kポップは韓国の文化コンテンツの世界化現象をさす用語である「韓流」の一部分と見ることができる。韓流が国内外で注目される文化現象になったのは、一般的に1997年に中国の国営放送・中国中央テレビ(CCTV)で放送されたドラマ「愛が何だって」の成功以降と見なされる。以降、00年代半ばのドラマ「冬のソナタ」のヒットとそれによる文化現象である「ヨン様」(ペ・ヨンジュンの日本のニックネーム)ブームを通して、日本も韓流の流れに合流した。音楽の韓流の場合、ダンスデュオのクローンが2000年に発表した歌「初恋」が台湾で大きな人気を得たのが始めである。
初期韓流の主な市場は中国と日本を中心とする東アジアであった。最近、韓流の中心がドラマからKポップに移り、東アジアを越えて北米と南米、ヨーロッパ、中央アジア等、全世界に拡大していっている。
Kポップは現地エージェンシーと契約を結び現地化戦略(その地域の言語とスタイルの歌)を通してアルバムを作った第1世代、現地に支社を置き国内で人気のあるアイドルの音楽を現地で宣伝することによって海外進出を模索した第2世代を経て、YouTubeやソーシャルメディア等をベースに韓国語の歌自体で勝負する第3世代に発展してきた。(韓国国際文化交流振興院「2018海外韓流実態調査」)
日本進出に真っ先に目をつけたのはSMエンターテインメントであった。00年代初期に、SMは現地化戦略をとった。現地会社であるエイベックスと協力して日本の作曲家の曲を受けて日本の企画会社で日本語の歌でアルバムを出した。代表的な歌手がBoAだ。日本の大衆はBoAの人気が出た後になって、彼女が韓国人であることを知った。00年代後半、東方神起も同じ戦略で日本で成功した。
以降、現地に支社を置き国内で人気のあるアイドルの音楽を現地でプロモーションする方式に変わった。韓国語でも歌うが、現地の言語に歌詞を変えもした。日本、アメリカ、中国、タイ等、現地の国籍を有するメンバーを1、2名ずつ入れて「軟着陸」に活用した。その国に自分たちを紹介しやすいからだった。こうした方式で00年代後半から2PM、スーパージュニア等が中国、タイ等で大いに人気を博した。
しかし、それまでKポップの人気は東アジアだけに留まっていた。東アジアの外における可能性を示した事件が、2011年5月のSM所属歌手の合同公演「SMタウンライブ」フランス・パリ公演だった。この公演のチケットが早くに売り切れ、チケットを手に入れられなかったヨーロッパの国々のKポップファンたちが、ルーブル博物館の前でスーパージュニアのダンスをフラッシュモブで再現したのが話題になった。これは、Kポップが東アジア以外の地域でもファンを増やしていることを示した象徴的な事件だった。
しかし、唯一アメリカの音楽市場の壁は高かった。Kポップ歌手のアメリカポップ市場進出は2008年頃に始まった。当時、国内で最高の人気を謳歌していた少女時代、KARA、ピ、Wander Girls、BoA、2NE1等が進出したが、すべてビルボードのチャート上位に進出することに失敗した。BoAが2009年にビルボード200チャートの127位に入り、2014年に2NE1が同チャート61位に入ったに留まった。
以降、2012年にPSYの「江南スタイル」がアメリカのビルボードシングルチャート2位を記録し、Kポップを全世界に広める契機となった。しかし、以降引き続き人気を得ることには失敗し、米国市場でKポップの人気は停滞した。
2017年頃、防弾少年団(BTS)が米国市場でKポップの復興の先頭に立った。BTSはYouTube、Twitter、Facebook等、様々なデジタルチャンネルを活用して、海外のファンと直接的にコミュニケーションし、英語でなく韓国語の歌で勝負する等、新しい海外進出方式を試みた。結局、BTSはビルボードトップアーティスト賞を3年連続受賞する等、Kポップの歴史を書き換えた。
大衆音楽評論家キム・チャッカの「Kポップ制作システムの変化:Kポップの両翼」(2019)を見ると、「BoAがブランドは日本で、つくるのは韓国人という一種のOEM方式であったとするなら、以降のKポップグループは韓国が企画と制作を引き受け現地人メンバーが部品として投入される形態に制作方式を変えた。こうしたシステムが可能だったのは、韓国の練習生システムと20年間蓄積されたアイドル育成のノウハウをビジネスモデルとしたため」と述べている。彼は「BTSの成功は既存のKポップシステムにさらにいくつかを加減した結果であり、自ら曲を作り歌詞を書いてアーティスト型アイドルとしてのポジショニングをし、ソーシャルメディア時代に合った豊富なコンテンツで勝負し、英語でなく韓国語で歌ったという点が既存のKポップと違っていた」と評価している。
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