SSブログ

科学至上主義に悪のりする原子力・核マフィア [No Nukes]

「たけしのTVタックル」のUFO特集などによく出ていた大槻義彦1)にカリカチュア化された科学至上主義は、「科学的」に証明できないものは分からないものではなく、ないもの、存在しないものと独断的に断定する。例えば、UFOは未確認飛行物体の略語で、文字通り何だか確認されていない飛行物体を指す言葉に過ぎないのだが、UFO=宇宙人の乗り物と信じる人々に対して、「証拠がないから未確認」と反論するのではなく、「証拠がないから存在しないもの」と全否定する。
そんな彼らが根拠とする科学とは何か? たかだか近代社会数百年の歴史で資本主義の発達とともに確立してきた科学万能主義の極端型に過ぎない。例えば近代医学は、科学主義の名の下に、人類がチンパンジーから分かれる前から経験的に蓄積してきた医学的な知恵(例えば下痢をしたらある種の葉っぱを食べる、ミネラルをとるために特定の場所の泥を舐める、怪我をしたら化膿しないよう唾液を塗ったり特定の植物をすりつける等の行動は、類人猿のみならず、多くのほ乳類に見られる普遍的行動だ。)、その延長上に発達してきた東洋医学など世界中に存在する土着の医学を、すべて科学的根拠のない迷信として否定し尽くした。しかし、資本主義が終焉期を迎えた今、悪いところは切ってしまい、人工的に精製された化学薬物をひたすら投与するという西洋医学への疑問が提起され、中国や韓国では東洋医学が西洋医学と同等の扱いを受けているし、日本でさえ漢方薬が保険適用されるようになった。
また、そんなに万能、絶対であるはずの「科学」も、歴史を遡れば、数十年前に立証された真理とされた科学的常識が、わずか数十年で180度覆されることなどざらである。例えば、ニュートンの宇宙論はアインシュタイン理論によって否定され、昔、定常とされていた宇宙は膨張しいずれ収縮するものとされたと思ったら、今は速度を上げて膨張を続けているとされている。身近な例でいえば、昔は野球選手は泳いではいけない、スポーツをするときは水分を取るなと言われていたスポーツ科学が、今では全否定され180度違うことが定説とされている。
しょせん科学の絶対性なんてその程度のものなのだ。
ところが、20世紀の資本主義絶頂期に人類殺戮の兵器として登場し、それを世界中に拡散するために平和利用の名の下に原子力発電の普及に成功した核マフィアは、当時絶対的信用を得ていたこの科学万能主義、科学絶対主義を悪用し、軍事と結合して情報管理と情報隠蔽のもとに、自己に都合のいい情報のみに基づいて放射能の安全神話を作り上げた。それはすでに、広島・長崎での被爆者を見殺しにした米軍の情報収集活動から始まり、50~60年代の狂気の核実験における動員人力や周辺住民へ与えた影響調査では、米ソ冷戦構造にもかかわらず、利害の一致により米ソ(その他の核保有国)は共犯関係を結んだ。2)
スリーマイル島事故、チェルノブイリ事故においても同様だった。とくにレベル7のチェルノブイリ事故は、もし西ドイツ等西側で起こっていたら、もう少し秘密の暴露が図られたであろうが、不幸にも当時、鉄のカーテンの向こう側で起こった事故であったために、国際核マフィアは完全に近い情報遮断に成功した。ソ連政府によれば、死者33名だが、これは事故収拾に当たった消防士らの急性死者の数に過ぎない。また、IAEAは放射能とがんの関係において、否定しようのない甲状腺がんのみ認め、それも死者は9名とされた。
これがいかにでたらめな数字であるかは、数々の研究成果が発表されている今日では言を俟たないが、IAEA、ICRP、WHO等の国際核マフィアは、情報操作、情報隠蔽に基づく都合のいい事実のみを事実と認定し、それ以外のすべての事実や事象は科学的根拠のないものとして排除する。3)
フクシマの事故が起きたとき、実はいちばんその教訓を学ばなければならなかったのは、地元福島、そして関東地方をはじめとしたすべての国民であったはずなのだが、事故が起きる前から、事故が起きたことを想定して予めチェルノブイリに学び、それをさらに強化して実践したのが、日本政府や地元福島県であったのだ。それが証拠に、想定外であったはずのこの事故の1週間後には、山下俊一が早々と福島県入りし、翌19日には福島県の「放射線健康リスク管理アドバイザー」に就任している。県民洗脳工作の本格的始まりである。事故発生以来、フクシマについて不安を煽る者は、たとえ政府関係者でも抹殺された。「放射能つけちゃうぞ」発言を捏造された鉢呂吉雄経産省がその例である。
チェルノブイリで情報操作・情報隠蔽にほぼ成功した国際核マフィアにとって、次の事故が日本で起きたことは幸いだった。日本は民主制の外観をまとってはいるが、実態は官僚が支配するムラ社会で、市民意識は極めて希薄だ。安全・安心洗脳工作食べて応援・絆キャンペーン冷温停止状態・収束宣言除染・帰還運動等で県民・国民管理は十分に可能だ。後は、一部の真実を暴き、避難や被曝を訴える不遜な市民らを孤立させ、彼らをカルトに仕立てあげ、彼らの言うことはすべて風評被害福島への差別と言いくるめればいいだけの話だ。都合よく(?)民主党政権は自壊(野田の自爆)し、代わって登場した安倍政権は、民主主義の外套もかなぐり捨てるウルトラ右翼(ファシスト)だ。
そんな中で、そうした空気を読まずに物議をかもした小学館「ビッグコミックスピリッツ」『美味しんぼ』は、彼らにとっても予想外の出来事だったようだ。安倍自ら「根拠のない風評被害には国として対応する」と発言してまで封殺する挙に出た慌てようを見ると、そのことがよく分かる。3)
こうして国内外の核マフィアどもは、不幸にも来年あたりから目に見えて増加するであろう健康被害という事実をすべて根拠のないデマとする布陣を整えた。チェルノブイリでは認めた甲状腺がんの因果関係さえ、この分でいけば、日本政府は1名も認めないかもしれない。
こうした中で、真実を追究する市民は、核マフィアの振りかざす「科学」に対して、統計学疫学臨床医学などを総動員してデータを蓄積し、世界の世論に訴えていかなければならない。日本の自覚・自立した市民の味方は、もはや国内にはいないのかもしれない。しかし、絶望するのはまだ早い。味方は世界中の市民だ。世界の良識だ。

1)当然ながら、彼は「美味しんぼ」の件についても、「ストレスによる高血圧症状が主な原因であり、放射能とは直接関係がない。」と決めつけ、作者を批判し、政府の立場を代弁している。(http://29982998.blog.fc2.com/blog-entry-580.html
2)米ソを中心とした大気中核実験による過剰死は2000万人という数字もある。(ジェイ・M・グールド、ベンジャミン・A・ゴールドマン著『低線量放射線の脅威』(今井清一、今井良一訳、鳥影社)
3)チェルノブイリ事故による過剰死は100万人(同上)。なお、1986年以降20年間に、ウクライナとベラルーシの人口は1割減少、平均寿命も低下。
4)御用学者どもは「被曝による鼻血が考えられるのは『全身に500~1千ミリシーベルトを超える被曝をした場合』」と一方的に決めつけるだけで、作中で描写されている低線量被曝による鼻血や疲労感に関する松井英介・岐阜環境医学研究所長の学説に対しては言及・反論できずにいる。にもかかわらず、御用学者の断定が唯一の「事実・真実」とされ、「鼻血」は「なきもの」、よって「根拠のない風評被害」と決めつけられて、国家権力によって言論封殺される。
鼻血.PNG

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。